エッセイの書き方のコツ(2) 「他人の目になる」2012年01月06日


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前回は、エッセイには客観的な視線が不可欠、と述べました。
抽象的でちょっとわかりにくかったでしょうか。

他人の目になる。その簡単な方法を説明しましょう。
ひと昔前は、「書いたら三日三晩寝かせたのち、もう一度読み直して、それでも納得のいく文章であれば、公表すること」などと言われたものです。
でも、今の世の中、書いた直後にボタン一つで世界中に公開できてしまうのに、そんな流暢なことは言っていられません。
それでも、他人の目になるために、ちょっと待って。
書き終えたらそれで終了、即送信……とせず、書き終えたら、まず、自分の文章を忘れてください。時間の許す限り、せめて1時間でも30分でも。
そののちに、もう一度読み返してみる。すると、書いている最中には気がつかなかった誤字脱字、あるいは変換ミスが見つかることもあるでしょう。この文、ちょっと変かな。この説明ではわかりにくいかな。そんな個所が出てくるかもかもしれません。
つまり、自分の文章を客観的に見ているのですね。
少しだけ、自分の文章から離れることが、他人の目、読み手の目になれる一つの方法なのです。
そうなると、まだまだ完成ではない、と感じます。きっと書き直したくなる。そこから推敲が始まります。文章が磨かれていくのです。


客観的な視線で自分の文章を読み返しながら、スローフードのようにじっくりことこと、時間をかけて仕上げていく。それもエッセイの一つの書き方です


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コメント

_ 村上 好 ― 2014/11/08 13:43

hitomi 先生

今日のエッセイ教室、熟読しました。

<書き終えたら、まず、自分の文章を忘れてください>

<そののちに、もう一度読み返してみる>

<少しだけ、自分の文章から離れることが、他人の目、読み手の目になれる一つの方法>

<そこから推敲が始まります。文章が磨かれていく>

たいへん勉強になりました。

私のエッセイノートにそのまま写させていただきました。

ほんとうにありがとうございます。

<客観的な視線で自分の文章を読み返しながら、スローフードのようにじっくりことこと、時間をかけて仕上げていく>

この文章に感動を覚えています。

村上 好

_ hitomi ― 2014/11/08 23:49

村上さん、
推敲は、同じ言葉や言い回しの繰り返しを避け、余計なものはどんどんそぎ落としてください。ナイスバディもエッセイも、無駄を落としてシェイプアップが肝要です。

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