～HITOMI'S ESSAY COLLECTION～

hitomi さん

＜家は鎌倉で、白いスポーツカーを乗り回し、ヨットやウィンドサーフィンを器用にこなしては、湘南ボーイを気取っていた。＞

１９５０年、福井県の僻地に生まれた私が「湘南ボーイ」という言葉を知ったのは大学を卒業して企業に就職した後でした。
まぶしいほど格好いい。

＜サークルの仲間は、卒業後も一緒にスキーに行ったり、海に出かけたりして、気のおけない付き合いが続いた。結婚してからも、家族ぐるみで集まっては楽しいひと時をすごしたものだ。＞

楽しくて、充実した生活。すばらしい。

＜鎌倉の海岸でバーベキューをしたときには、こんなに素敵な写真も撮っているのだった。＞

すばらしい写真です。プロカメラマンが撮影した写真のように感じます。

＜おととしの5月、Ｎ君は、くも膜下出血で倒れた。＞
＜今年の1月、彼は特養の施設に移った。車いすの生活である。＞

＜また鎌倉の稲村ケ崎の岩の上で、バーベキューをしようよ。
　採れたてのサザエを焼いて、生ビールを浴びるほど飲んで、夕日に向かって懐かしい歌を大声で歌おうよ……＞

キャンパスで青春を謳歌した hitomi さん、N さん、その仲間たち。
あれから４０年。それぞれが、目いっぱい生き、それぞれの運命のいかだに乗ってこられたのだろうと思います。
浴びるほどに生ビールを飲むことは難しいかもしれませんが、一緒に夕日に向かって歌はうたえるでしょう。

このエッセイは、不朽の名作映画のような感動を与えてくれます。

たのしいバーベキューを！！！

村上　好

村上さん、
ありがとうございます。
彼が倒れてから、まだBBQは実現していません。
だれも、自分からは言いだせないでいるのでしょう。