ダイアリー・エッセイ:「時間は消えてゆく」 ― 2012年12月04日
若いころによく聴いていた耳慣れた甘い声、曲調、メロディーライン……。
かつては、こぶしを振り上げながら走りぬけるような歌が多かったのに、どこか、何かが違っている。
そのなかで、ふと、あるフレーズが新鮮に心に響いた。
“時間は過ぎて行く”って 少し違う気がする
“時間は消えて行く” ここから先は
同じ50代を生きている彼の思いが、この歌から伝わってきた。
世代の相違というのは、どれだけ年をとっているかの違いだと、私は思っていた。
でも、そうではなかった。
どれだけの時間が残されているか、その多寡なのだ、と今気づく。
だからこそ今、彼の歌にふたたびいざなわれるように、走りださなくては、という衝動に駆られる。
時間が消えてなくなる前に……
ダイアリー・エッセイ:ゴスペル初体験♪ ― 2012年12月06日
今月は時節柄、忘年会をはじめ、楽しいイベントが目白押し。
以前から、大晦日の第九のような、大勢で歌い上げる合唱に参加できたらいいなあ、と思っていた。
今年はその夢が実現しつつある。
地元の商業施設が募集した「みんなで歌うゴスペルライブ」に出演することになった。
23日の夜に、屋外ステージで100名の大合唱をするのである。
練習は12月中に3回、前日にリハ、本番は2ステージ。
ゴスペルはもちろん初体験だ。
初回の練習に出かけてきた。
昼の時間帯の練習だから、30代、40代の女性が多い。
指導は若くてはつらつとした女性の先生。
楽譜を渡されるが、とにかく先生の後について歌って覚える。リズムに乗って覚える。その繰り返し。
初めて聞く曲を、必死で英語の歌詞で歌いながら、しかも体を動かしてリズムに乗るのは、意外とむずかしい。年のせい?とちょっぴり不安になって見回すけれど、みんな「むずかしい!」と笑っているから、ちょっと安心。
「うまくできなくても、とにかく揺れていてくださいね。じっとしてるよりは、ジタバタしてるほうがいいですよ」と、先生いわく。
実はこの日、午前中はママさんコーラスで、クリスマスの聖歌の練習もしているのだ。
声が枯れるかと思いきや、発声のウォーミングアップはばっちりというわけで、声がよく出ること……!
気取らないで、リズムに乗って、魂を込めて、おなかの底から声を出して……。
すごく楽しい!!
自然と笑顔になってくる。
一緒に参加することにしたのは、私と同じ高3の受験生を抱えたママ友3名だ。
受験がいよいよ佳境に入った今こそ、ゴールを目指す受験生を支えつづけるためにも、息抜きが必要。家でイライラしているお母さんより、鼻歌交じりで楽しそうなお母さんのほうがいいに決まっている。
それに、一人で歌うよりも、大勢で歌うほうが、より神様に祈りが届くというし……。
いつものように、前向きにOFFを楽しむ口実をたくさんこしらえて、練習のためのICプレイヤーも購入済み。
喉を大事にして、がんばりますわ~♪♬
☆日本ブログ村のランキングに参加しています。
絶対おススメの本です。 ― 2012年12月14日
でも、この本だけは特別。皆さんに読んでほしいのです。
『いまこそ私は原発に反対します。』日本ペンクラブ編 平凡社発行
4センチ近い分厚さのせいもあって、外出時に持ち歩くには勇気がいる。就寝前にベッドで読むには重すぎる……。
それでも、半年にわたる長い月日をかけてすべてを読み終えました。気がつくと、私が好きな小説本にも手が伸びなくなってしまい、読書量が減りました。
日本ペンクラブのメンバーと言えば、日本を代表するいわば〈言葉の力持ち〉。その52名が、自由な形態で文章を寄せました。
エッセイあり、批評あり、小説あり、童話あり、散文詩あり、短歌あり……。
福島も、チェルノブイリも、東電のことも書かれている。
数字による説得力のあるもの。
母性に訴えるような危機感をはらんだもの。
犠牲者の気持ちに寄り添った悲しみの詩作。
シニカルで寓意にあふれた昔話。
それらひとつひとつが、本のタイトルどおりの思いを込めています。
そもそも人類が原発を持つことがいけない。そのもっとも基本的なことが、ああそうか、と改めてわかってくるのです。
皆さんにも、今回の選挙前にぜひ読んでほしいと思いました。
好きな作家だけを選んでもよし、読みやすそうなものを選んでもよし、1編でも2編でも、立ち読みでもいいから、目を通してみませんか。
いずれ子どもたちにも読ませたいと思っています。
再版本を増刷! ― 2012年12月18日
8月に再版した著書は、おかげさまで、あっというまにほぼ完売。
さっそく2刷を出しました。
ご覧のとおり、なんともエコな簡易包装で、段ボールにも入れられずに、わが家に届きました。15冊ずつ紙にくるんであるだけ……。
とりあえず、玄関の前に積み上げておきましょう。
またすぐ、玄関から出ていってほしいですもの。
もちろんご購読の方には1冊ずつお送りいたします。
hitomi3kawasaki@gmail.com
まで、お問い合わせください。
電子本でもお読みいただけます。
右側のバーの画像をクリックしてください。
ところで、2刷発行の日付はいったい……?
下のシールをはがして奥付の写真をご覧ください。クリックすると、はがれます。
日付の意味は、後日発表します。
それでは発表します。 ― 2012年12月24日
本の発行日の話の続きです。
まず、初版発行日の2012年8月19日。
昨年8月15日のブログにも書きましたが、ちょうどこの日、震災復興支援のため銀座で開催される東松島物産展&チャリティライブの会場の片隅で、再発行したばかりのこの著書を、チャリティ販売させてもらうことになっていました。
私なりにできることを考えたのです。売り上げは全額、チーム東松島に寄付しようと。
この日に合わせて発行日8月19日が決まった……と思い込んでいました。
奥付に記されている「発行者」の作間由美子さんは、「発行所」メディア・サーカスの社長さん。チーム東松島の友人を介して知り合いました。
彼女が日付を決めたそうです。
ところが、当日のチャリティライブのステージで、なんと作間さんのハッピーバースデー・サプライズが行われたのです。
この日は、作間さんの記念すべき50回目のお誕生日だったのです。
私にとっても、サプライズ!!
彼女は、自分の一番大事な日を、私の著書に記してくれたのでした。
さて、もう、おわかりですね。
2刷発行のタイミングは、ちょうど待ち構えていたように12月と重なりました。
2012年12月21日、それは私の誕生日です。
何回目? 野暮なことは言いっこなし。
下の写真は、ワイン3点セットの誕生日プレゼント。
ドイツのアイスワイン。
開けやすそうなワインオープナー。
金沢のガラス工房、井上美樹さんの手作りワイングラス。
家人からでした。
メリー・クリスマス……ってなぜ? ― 2012年12月25日
昨夜は、久しぶりに家族5人+母がそろって、わが家でクリスマス・ディナーを楽しみました。
今朝になって、母と長男を乗せて、教会のミサへ。
皆さん、メリー・クリスマス!
でも、ちょっと待って、それはどういう意味? なぜ、おめでたいの?
あなたはご存知ですか。
つい先日の12月21日に、よりによって私の誕生日に(!?)人類が滅亡するというマヤ文明の予言におびえていたかと思えば、数日後には「メリー・クリスマス!」とあいさつを交わし、大晦日には、近所のお寺の除夜の鐘を突き、年が明ければ神社にお賽銭を投げ入れ……。
まあ、日本人の宗教的節操のなさといったら……!
いえいえ、非難するつもりはありません。
良かれと思えば何でも柔軟に受け入れてしまう。その応用力、寛容さこそが日本人のいいところ。しなやかな生きるすべを身につけた、憎めない国民だと思います。
クリスマスは、イエス・キリストの誕生日です。
なぜ、キリストの誕生日を、みんながお祝いするの?
私が23日のゴスペルで歌った歌詞に、こんな一節がありました。
Jesus, Jesus, that’s what we call you
Manger born, put on a tree
You died to save humanity
(訳)ジーザス それがあなたの呼び名
飼い葉桶で生まれ 木に吊るされて
人々を救うために命を落とした
つまり、キリストは私たちを救うために生まれてきた。だから、イエス・キリストの誕生日はうれしい。
彼は神様からの愛のギフト。だから、クリスマスは愛に満ちた時間なのですね。
だから、皆さんにも、心からの愛をこめて、
メリー・クリスマス♥!!!
ダイアリー・エッセイ:100名で歌ったゴスペルライブ♪♬ ― 2012年12月26日
その日までは、毎週行われる練習に出席。最後の日は午後のレッスンに出て、帰宅して夕飯を作り、またトンボ返りで夜のレッスンにも参加するほどの熱の入れよう。
レッスンは、若くてかわいらしいナナ先生が指導してくれる。
自宅では家事をしながら、イヤホンで録音を聞き、一緒に歌って自主練習をした。
前日の夜は、閑散としていた駅前の広場。
当日行ってみると、仮設ステージが出来上がっていた。
衣装の色は白か黒に統一、おそろいのピンクのスカーフをつけて、その雛壇に上がる。
すでに、たくさんの人たちが見物しているなかで、発声練習~♬
午後3時。いよいよ本番。
ボーカルのビンセントさんと合わせて歌うのは、今日が初めてだ。
大柄な体なのに、高くなめらかな歌声が響く。
ビンセントさんいわく、
「皆さん、楽しんでください。そして、いつも笑顔を忘れずに……」
ゴスペルは、リーダーの手の動きに決まりがあって、それに合わせて曲が進行する。
手をグルグル回せば、リフレイン。
頭のてっぺんをぽんぽんと叩けば、最初から。
親指で後ろを指せば、先に進む……という具合。
だから、リーダーのナナ先生の采配で曲の進行も変えられる。
彼女の指揮のもと、みんなで心をひとつにする。
大勢だからこそ緊張もなく、いつも以上にパワフルに、空に向かって歌いかける。
なんと気持ちがいいんだろう。
おなかの底から、思い切り声を出して歌える解放感。
本当に楽しい!
5時からのステージのときには、会場のイルミネーションがいっせいに灯った。
ステージを照らす照明もまぶしい。
闇のなかの光と、大勢の歌声と……♪♪
クリスマスのムードもますます盛り上がってくる。
待っている間は寒くて震えていたが、ひとたびステップを踏んで振りをつけながら歌いだせば、ハートがアツくなって、寒空の下、体までポカポカとしてくる。
なんという快感……!
Hold on, you can make it
Hold on, everything will be alright
(訳)がんばって あなたにはできる
がんばって 全ては良くなる
「歌うことは、3度唱えることに等しいのです」
クリスマスの日、学校長は母親コーラスの私たちに、そう言ってくれた。
英語の歌を4曲。お客さんも一緒に歌える日本語のクリスマスソングを3曲。
あっという間に、ステージは幕となった。
友人たちも聞きに来てくれた。たくさんの写真を撮ってくれた。
どうもありがとう。
そして、来年からは一緒に歌いましょ。
ナナ先生、来年もよろしく!