ダイアリー・エッセイ:かなしみず2013年06月22日


富士山が世界文化遺産に登録された。
当初は除外されるはずだった三保の松原も、構成資産に含まれることになったという。



25年前、三保の松原のある、静岡県の清水に住んでいた。
写真は、三保の松原で撮ったもの。後ろに見えているのが、羽衣の松。
結婚4年目でようやく授かった長男と、30代の私。おなかには2人目がいる。
何の心配もなかったころ……。

でも、この1年後に、長男は自閉症の診断を受ける。
まだ生後2ヵ月の長女も連れて、港のそばの療育センターに通った。
清水の海は、いつもきらきらと輝いていた。

私の著書『歌おうか、モト君。~自閉症児とともに歩む子育てエッセイ~』では、冒頭のエッセイ「かなしみず」に、当時のことをつづっている。
結びの3行――

  今でも清水の光る海を思い出すと、それだけで目がしらが熱くなる。
  「清水の海は、かなしみず……」
  ふと浮かんだひとつの言葉が、あの海の代名詞となった。


ずっと、しまいこんでいた写真だったのに……。
世界遺産登録のニュースを聞いて、つい封印を解いてしまった。
今夜は涙が止まらない。



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