写真コンクールに投票のお願い!2014年10月04日



フランスの旅の写真を整理しながら、あれこれ調べているうちに、こんなサイトに出会いました。


〈フランスの旅 フォトコンクール 2014

さっそく、私も応募してみました。

素人だってかまわない。写真に込めた思いには自信がありますとも……!

 

写真を応募しなくても、写真へのコメントや投票だけでも、素敵なプレゼントが当たるそうです。ぜひぜひ、皆さまもご参加ください!

FacebookTwitterなどにアカウントがない方でも、メールアドレスと簡単なパスワードをご自分で設定すれば、その場でユーザー登録ができます。

そして、投票は次の10点に、どうぞよろしくお願いいたします!

それぞれ、タイトルをクリックすると、サイト内の写真のページにリンクします。

89103点は、娘の撮ったもので、私のセレクトです)


 

1. カルーセルパレス

彼女だって20年くらい前には少女だった。でも今はもう、乗りたかった木馬も、あの日の夢も、目の前でくるくると回っているだけ…… 

2. ギャルリー・ラファイエット

このデパートの吹き抜けは、店内のどの商品よりも繊細でゴージャスで美しい。 

3. 日の出

きのうは、海に日が沈むのを見た。そして今日は、カモメの鳴き声で起き、海から朝日が昇るのを見る。かつてここに暮らした修道士たちもこんな毎日を送っていたのだろうか。 

4.  ホテルの看板

泊まったホテルの別館は、狭い路地の坂道、石の壁の一角に看板を下げていた。娘がそれを見上げ、抜けるような碧空がそれを見下ろしている。 

5. シュノンソー城までの並木道

木洩れ日が模様を作っている。それを踏みしめて進むと、白い城が見えてくる。 

6. 午後955分の夕焼け

ようやくパリの長い一日が暮れていく瞬間、オペラ座の向こうの空が燃え上がった。 

7. 静かなる朝

海からの風が、朝日を浴びたフランス国旗をはためかせていた。

 

8. 旧市街の夫婦

オンフルールの旧市街で見かけた老夫婦の後ろ姿が印象的だった。 

9. 夏を待つパラソルたち

空はどんよりと曇り、海風は冷たく、人影もない浜辺で、パラソルたちは身を細くして夏の日差しを待っている。 

10. モネの庭

池に浮かぶ睡蓮と、池に写る柳の枝。モネの絵がそこにあった。 


どうぞよろしくお願いします!

ブログの Vacance en France も、まだ続く予定です。




旅のフォトエッセイ:Vacance en France 11 トゥルーヴィルとドーヴィルで2014年10月07日


モン・サン・ミッシェルからパリへの帰路、フランス北側の海辺の町に立ち寄った。

 

トゥルーヴィルとドーヴィル。

川を挟んで並んだ二つの町。トゥルーヴィルは庶民的で、ドーヴィルは気取ったハイソな街。

それもそのはず、ドーヴィルは、19世紀に貴族のリゾート地として開発されたそうで、瀟洒なホテルや、競馬場、カジノなどが造られている。今でもセレブの保養地なのである。

 

一方のトゥルーヴィルは、魚介類が水揚げされる港町として栄えてきた。

もちろん私たちのお目当ても、海の幸をいただくこと。

建物もおしゃれな魚市場。

街中の魚屋さん。


ドライバーさんのおススメで入ったレストラン、「ラ・マリン」。

この銀のお皿に山盛りの海の幸、これで1人前! 大きなカニも丸ごと。

プレートの下には、パンもたっぷり。添えられたバターを一口食べたらとても美味しい!

後から聞いた話では、この辺りはフランスでも有数の美味しいバターの産地だとか。

うーん、さもありなん。私の舌もなかなかのもの……。

 


食事の後は、隣町ドーヴィルへ。

ここノルマンディー地方の建物は、木組みの縦・横・ななめのラインが装飾的で美しい。

ドーヴィルの象徴的ホテルと言われるホテル・バリエール。

次回はぜひ泊まってみたい。

デパートのプランタンも、ここではこんなにかわいらしい。

この時期、どこでもセール中。ノルマンディーの海のような、青い模様のTシャツを買った。

こちらは、ご存じエルメス。写真を撮って、おしまい。

セレブのためのカジノ。もちろん、写真を撮って、おしまい。

そして、浜辺。空はどんよりと曇り、海風は冷たく、人影もない。

夏の日差しを待ちわびるように、身を細くして、パラソルたちが佇んでいた。


ドーヴィルと聞いて真っ先に思い出すのは、あのフランス映画。

同世代なら知らない人はいないだろう。ダバダバダ、ダバダバダ……のスキャットもアンニュイで、世界中の人々のハートをつかんだ『男と女』

ふたりが出逢って大人の恋に落ちたのが、ドーヴィルだった。


旅のフォトエッセイ:Vacance en France 12 オンフルールで2014年10月11日



どこが一番よかった?

帰国してから、娘に尋ねたら、「オンフルール」という答えが返ってきた。

ドーヴィルの次に向かったオンフルール。何世紀も前から、セーヌ川の河口に開けてきた港町だ。

パリからモン・サン・ミッシェルを訪ねるツアーはたくさんあったけれど、その帰り道にオンフルールに立ち寄るということが一番の決め手となって、このドライバー付きのミニツアーを選んだのだ。

大好きな印象派とは切っても切れない町で、印象派という名前は、クロード・モネがオンフルールで描いた『印象・日の出』という絵のタイトルに由来している。印象派の画家たちは、この町の海や港町の美しさに魅せられて、たくさんの絵を残した。

日本の安野光雅画伯の描いたこの町の絵も有名だ。 

 

その旧港町の写真。もう少し晴れてくれたら……と、曇天がうらめしかったが、フランス特有のアンニュイなムードは、快晴の空の下では生まれないのかもしれない、と思い直す。

サント・カトリーヌ教会。

15世紀に建てられたもので、当時、石で作る経済的な余裕がなく、船大工たちが知恵を寄せ合ってこしらえた。フランス最大の木造の教会だという。

 

鐘楼ももちろん木造。石の建造物を見慣れてきた目には、木造りの古い建物が、何やら懐かしく親しみを感じる。


町で最古のサン・テティエンヌ教会。

現在は教会ではなく、海洋博物館となっていた。

その教会と狭い路地を挟んで隣のレストランでは、この地方のりんごで作ったシードルという軽いお酒で、のどを潤す。


何とも古めかしい旧総督の館。

街で出合った回転木馬。


娘がじっと見つめていた。

彼女だって20年くらい前には少女だった。でも今はもう、乗りたかった木馬も、あの日の夢も、目の前でくるくると回っているだけ……。

彼女がこの町を気に入ったのは、そんなノスタルジーのせいだったのかもしれない。

 








旧市街で見かけた老夫婦。二人の後ろ姿が印象的だった。


                                                         〈続く〉


ダイアリーエッセイ:歩道に横たわる人2014年10月13日


せっかくの三連休だというのに、風邪を引いた。

めずらしく何の予定もなく、台風が来そうだし……、なんて思っていたら、気が緩んだのだ。疲れた体から「休め」の指令が出た。

 

それでも、毎週月曜は、母をデイサービスまで送迎する「アッシー君」になる日だ。

熱もないし、なにより愛車を運転すれば、多少の気分の悪さは吹き飛ぶというもの。

いつもどおりに10時前に家を出て、20分ほど走って送り届けた。

 

帰りは、ちょっと寄り道して、パン屋さんへ。桜並木の路上に駐車して、歩道を行きかけた。

とそのとき、桜の木の下、きれいなレンガ造りの歩道の上に、人が寝ているのが目に入った。

横向きで顔だけうつぶせるようにして、動かない。紺色の服、パンツ姿の女性だ。

降り出した小雨に、透明なビニール傘もさすように置いてある。ふと見ると、その横には寄り添う男性がいる。膝をついて、心配そうに見ている。声をかけるでもなく、誰かに助けを求めるでもなく。同じ傘をさしていたから、なんとなく連れなのだろうと感じた。どちらも30代だろうか。

人通りもある。すぐそばには工事の車両も止まっていて、その従業員も二人を見ていた。

だれもあわてる様子がないから、交通事故ではなさそうだ。

 

横を通りながら、じろじろとそれだけを観察して、パン屋に向かった。

戻ってきても、まだ二人はそのままだった。

大丈夫ですか、と声をかけようかと思った。

いや、私のほうこそ大丈夫ではないのだ。その声さえ出ないかもしれないほどの喉の痛みと頭痛が、自分を制した。

彼女が本当に大丈夫でなかったら、かたわらの彼が何とかする。

それにしても、どんな状況だろうと、冷たい歩道の上に横たわっていていいはずがない。

何とかしてあげたら、という気持ちを込めて、女性に目をやり、彼を見つめた。

女性の白い手に、プラチナの指輪が鈍く光っていた。

 

ふたたびハンドルを握りながらも、ざわざわと心が騒いでいた。

やはり声をかけるべきだったか。いつもの元気な私だったら、きっとそうしていただろうけれど……。

 

私鉄沿線の小さな駅前。春には見事な桜のトンネルになる通称「桜坂」。ときどき駐車違反を取り締まる緑のオジサンたちが目障りだけれど、いつものどかで、のんびりとしている。

都内から引っ越してきて25年、子どもたちがさまざまな教室に通ったり、医者にかかったりしてきた。パン屋、本屋、コーヒーショップ、銀行……、なにかと暮らしをともにしている街なのである。

 

その、ほんの一か所が、ぺろりと皮がむけたような感じを味わった。

この坂道で初めて出会った〈非日常〉だった。











 

copyright © 2011-2021 hitomi kawasaki