ダイアリーエッセイ:映画「シンデレラ」 ― 2015年05月05日
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珍しくどこへも行かないゴールデンウィーク、今日だけは長男と映画へ。
彼の好きなディズニー映画の最新作「シンデレラ」を見てきた。
ディズニーの映画だけは、たとえ子供向きのアニメでも実写でも、丁寧に作られているから、私も安心して一緒に楽しめる。
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舞踏会の夜、魔法使いの魔法で、かぼちゃが馬車に変身していくシーンも、
キラキラと光る青いドレスで王子と見事なダンスをするシーンも、
12時の鐘の音とともに、御者がアヒルに戻っていく悲しいシーンも、
何もかも忘れて、ドキドキはらはら、そしてうっとり……。
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思いおこせば、私が小学生のころ、金曜日の8時から「ディズニーランド」という番組があって、わが家の白黒テレビで楽しみに見ていた。
このディズニーランドには、「未来の国」「おとぎの国」「冒険の国」「開拓の国」の四つがあり、毎週そのうちの一つが紹介される。だぼだぼの背広を着たおひげのウォルト・ディズニーさんが案内役で現れて、
「今日は、おとぎの国へ……」
と言ってくれる日が一番うれしかった。
何を見ていたのか、ちっとも覚えてはいないのだけれど、小さなモノクロ画面の中でも、外国のキラキラした夢の世界が、子どもの私の心を十分満たしてくれていたのだろう。
私はこのころから夢見る少女だったらしい。よく、広告の裏に、お姫様の絵を描き、プレゼントにねだるのは、ピカピカキラキラのアクセサリーだったっけ。
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劇場には、そのころの私と同じ女の子たちがいっぱい。ポップコーンの匂いが満ちている。
あなたたちも、シンデレラにあこがれるのかしら……?
人生の振り出しに戻ってきたロクマルの年、その「こどもの日」に、たまたま見た映画で、私は童心に返っている。
そのことに気がつくと、胸がいっぱいになって、涙がこみあげてきた。
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