ダイアリーエッセイ:おみくじ「素敵な出会いが」 ― 2015年05月19日
夕方、同僚の先生から梅干しをもらった。
近頃の梅干しは個包装されていて、まるでキャンディのようだ。味のほうも、顔がしわくちゃになるほどではなく、はちみつで甘く仕上げてある。疲労困ぱいのときに口に入れたら、一瞬元気になれるさわやかな味だった。
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包装紙を捨てようとしたとき、「おみくじ」と書いてあるのが目にとまった。内側に、何やら文言が……
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【大吉】思いがけない素敵な出会いがあるかも。
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私は、占いやおみくじの類はまったく信じない。が、オモシロがることにしている。当たっても、当らなくても。
「せいぜい、きょろきょろしながら帰りますね」と、梅干しの先生にお礼を言って別れた。
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帰りに、乗換え駅のいつものパン屋さんに立ち寄り、おいしそうな抹茶デニッシュの試食をパクリとしたとたん、後ろから名前を呼ばれた。
口をもぐもぐしながら振り返ると、友達が笑っていた。えーと、誰だっけ。ほんの一瞬だけ、わからなかった。
「T先生!」
長男が小学校でお世話になった担任の先生だ。
ちょうど2年前に、同じビルのティールームでおしゃべりをして以来の再会だ。
ブログの2013年6月2日「お久しぶりです、T先生!」に、その日のことを書いている。(写真も載せています。ぜひ、お読みになってください)
今日は、白地に花柄のTシャツ、ダンガリーのシャツをはおって、ますます若返って見えた。だから、同年代の友達だと思ってしまったのだ。
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後ろに、若い男性を連れている。障害のある人のようだ。
「息子です」
紹介されるまで気がつかなかった。顔立ちが似ていないせいもあるのだろうが、あまりにもうかつだった。
脳腫瘍の重い手術から生還して障害を背負った息子さんのことは、今までずっとお話に聞いていたのに、息子さんの名前だって覚えていたのに、目の前にたたずんでいる穏やかな雰囲気の青年が、すぐに私の頭の中で結びつかなかったのはなぜだろう。あまりに突然だったからだろうか。
私だって長男を連れて歩いていたら、若いボーイフレンドと間違えられるかも?!
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先生は近くのばら苑にお散歩に行って、息子さんはいつもの通所施設へ。ここで待ち合わせて、彼の靴を買ったところだそうだ。新しいスニーカーを履いた彼は、パン屋さんの袋もぶら下げていた。
二人としばし立ち話をして、さよならをした。
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T先生は恩師でもあり、同じ障害児の母として、私の大切な親友でもある。
今日、息子さんに初めて会うことができて、ますます親しみがわいた。
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あ、素敵な出会いが本当にあった……!
梅干しおみくじ、すごい!!
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コメント
_ kattupa ― 2015/05/21 03:54
_ hitomi ― 2015/05/21 20:11
梅干しはたしか「カンロ飴」の製品だったと思って、今日、少し探してみましたが、見当たりませんでした。見つかったら、またお知らせしましょう。
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人生捨てたもんじゃないと、元気がもらえます。
それにしても、粋な計らいをする梅干しですね。