旅のフォトエッセイParis2016(1)共和国(レピュブリック)広場にて ― 2016年03月25日
21日夜、無事に羽田に帰り着きました。
ご心配くださった方もいらしたかと思いますが、ベルギーのテロ事件は、帰国翌日のこと。1日違いで恐怖を味わったかもしれず、他人ごとではありませんでした。犠牲者のために祈ります。
しかし今回は、これまでの旅と違って、何かと小さなアクシデントがありました。
第一弾は、気がついたのが成田に着くまでの車中。出発前の記事にも書いた大事なParisノートを、自分の机の上に置いてきてしまったこと……!
ま、パスポートではなくてよかった、と気を取り直して出発しましたが。
さて、そのほか旅行中のことは、これから少しずつ、書いていきます。
そして最後の(これが最後だと信じたい)アクシデントは、帰国翌日、咳がひどく熱も出てダウン。市販薬を飲んでも熱が下がらず、医者に診てもらうと、インフルエンザA型でした。
特効薬を飲み始めるのが遅れたのか、4日目の今日になって、ようやく平熱に戻りました。
昨日は講演をキャンセルするという最悪の事態に。どれほど迷惑をかけたかと思うと、情けないやら悔しいやら。これからはきちんと予防接種を受けることにします。

ところで今日は、キリストが十字架にかけられて亡くなった金曜日。
そこで、こんな写真の記事から……。

パリ最終日、共和国広場を訪れました。
共和国としての問題が持ち上がると、人々はここで集会を開くそうです。昨年1月にシャルリー・エブドが襲撃されたときも、「私はシャルリー」のスローガンとともに、デモはこの広場から始まっていったとか。
そして、11月14日、同時多発テロの後にも、この場所に人々は終結しました。
自由と平和の象徴であるマリアンヌ像の周りには、今も人々が訪れ、花やキャンドルが手向けられています。
そして、たくさんのスローガンがかかっている。
「愚かな行為には立ち向かって」
「平和のために立ち上がろう」
「不安にされたって、パリは変わらない」
フランス人の精神的な強さが伝わります。
私の目を引くのは、遺影のかずかず。昨日まで平和な日常を送っていた若い女性や子どもの笑顔が痛々しい。
曇り空の下、冷たい風に吹かれて、思わず涙。彼らの死を無駄にしないため、これ以上犠牲者を増やさないためにも、心から平和を祈らずにはいられませんでした。
キリストは、罪深い人間を救うために、十字架の上で死んでいきました。
たとえ普通の人々であっても、その人の死には、何かの復活や新生のための力を残していくという意味があるのだと信じていたいものです。
