おススメの本、ヤマザキマリ著『たちどまって考える』2021年01月15日

 

(アマゾンのサイトからお借りしました)


昨年の秋、アマゾンで買おうとしたら、在庫がありませんでした。ずいぶん売れているようで、広告も目にしましたから、ご存じの方も多いでしょう。

コロナ禍の今、この本を読んで考えることをお勧めしたいと思いました。

 

著者は『テルマエ・ロマエ』の漫画で一躍有名になったヤマザキマリさん。マンガだけではなく、数々の著作もあるそうですが、私はこの本が初めてでした。

テレビで目にする彼女は、明るくて早口でユーモアたっぷりで、漫画家だからこのキャラなんだろうと思っていましたが、意外にも波乱万丈な半生を生きているのだと知りました。

日本の中流家庭にのほほんと育った私なんぞとはえらい違い。お母さんの一声でイタリアに留学させられて、西洋史や美術を学び、周囲のイタリア人からもたくさんのことを学びます。その後は、生活拠点を世界各地に移しながら、数々の修羅場も体験していたのでした。

 

現在はコロナ禍のせいで、日本に滞在し、イタリア人家族と離れ離れの生活を余儀なくされていますが、毎日のように家族と電話をしては、このコロナ禍について、ああでもないこうでもないと語り合う日々を送っているそうです。時には日本のコロナ対策を批判されることもあるとか。そんななかで、イタリア人のパンデミックのとらえ方は、私たち日本人とはかなり違うことに思い至った。それはなぜなのか。彼女の考察が始まります。

たちどまって考える――タイトルは、著者自身の現在の状況なのです。

 

これは友人に借りて読んだ本なので、もう私の手元にはなく、詳しくご紹介はできませんが、印象に残っているのは、“想像力”こそが大切だということ。

世界各国、それぞれの国の歴史があり、そこに生きる民族の習慣や文化がある。その違いをよく理解したうえで、想像力を持って判断することが必要ではなかろうか……と著者は言っているように思いました。

 

そもそも、何世紀もの間、陸続きの隣国と戦争を繰り返してきた歴史を持つヨーロッパの国々。いっぽう、小さな島国に、ほぼ単一民族が住み、江戸時代は穏やかな平和を享受してきた後、開国で西洋文明を受け入れてからほんの150年ほどの日本。コロナ対策においても、同じようにはいかない。違っていて当然です。

乱暴な言い方をすれば、ヨーロッパではロックダウンという強硬な政策がとられたけれど、それは日本には不向きで、自粛要請のような緩いやり方のほうが適しているのでは、ということなのかもしれません。

マスクは個人の自由を奪うものだという彼ら。右へ倣って、皆でマスクをする私たち。マスクをしないと罰金を科する国まで現れる。それは国民性の違いであり、どれが正しいかの問題ではなさそうです。

 

さて、あなたはどう思われますか。

この本を読んで、想像力を持って考えてみてください。

まだコロナ禍の真っただ中の世界は、急ごしらえのワクチン接種がようやく始まったところです。どんな希望を道しるべに、コロナ禍の世の中を歩いていったらいいのでしょうか。




copyright © 2011-2021 hitomi kawasaki