自閉症児の母として(66):渡辺えりさんの言葉2020年07月23日

 

 

 

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日の朝日新聞生活面に、「渡辺えりの心に残る ひととき」という特集が載っています。3ヵ月に一度の連載で、毎回3ヵ月分の「ひととき」投稿から、えりさんが数編を選んで、感想をつづる記事です。

今回4月から6月までの分で、以前ご紹介した私の投稿「ドアノブのマスク」も選ばれました。この投稿については、すでに記者による特集記事も載ったので、追跡取材はありません。

それでも、えりさんの激励の言葉が、彼女のガッツポーズの写真とともに胸にじんと来ました。

 

私と同じ年のひとみさん、良い友達がいて本当に良かったですね! 息子さんに頑張ってと伝えてください。

 

自他ともに認める泣き虫母の私。朝から涙、涙……でした。

 

自閉症児の母として(65):朝日新聞の記事になりました!2020年05月27日

 

先日の朝日新聞「ひととき」欄の投稿が反響を呼んで、わが家に記者の方が取材に来ました。

そして、本日の朝刊の生活面に、こんな記事が掲載されました。


 画像をクリックすると拡大され、再度クリックすると元に戻ります。▼

 

私は、息子の代弁者として、自閉症という障害について少しでも社会の理解が深まってほしいという思いで、これまで40年近くエッセイの勉強を続け、書き続けてきました。

障害児の母としての子育ても30年になります。

この記事は、その記念のご褒美のようなもの。

 

私の投稿に目をとめて掲載し、この記事を書いてくれた記者さんにも、マスクを送ってあげたいと思ってくれた方がたにも、そして、これまでの子育てを助けてくれてきた友人にも、エッセイの仲間にも、すべての皆さんに、今感謝の気持ちでいっぱいです。

 

♡♡♡心から、どうもありがとうございます♡♡♡



自粛の日々につづる800字エッセイ:「送迎ドライブで見つけたもの」2020年04月18日

▲朝、グループホームの前の道路で待っていると、息子が走ってくる。


 

緊急事態宣言が出されても、長男が働く福祉の職場は原則休業にはならない。きちんと感染防止に対応した環境を整えている。とはいえ、電車通勤のリスクは避けられない。

そこで私は、息子のグループホームと職場間の送迎を買って出た。朝と夕方、一時間半ずつのドライブだ。

 

終業時は、さすがに疲れた顔の息子に、まずウェットティッシュで手を拭かせてから、チョコやアイスのおやつタイム。食べ終わると、バッグからゲームを取り出して遊び始める。

 

職場のそばに消防署がある。五階建てのビルの間にネットが張られ、隊員たちが忍者のようにその上を移動する。スバイダーマンのように壁を下りてくることも。

署の前の歩道には、たいてい幼い子どもの観客がいて、指さしながらお父さんに何か話しかけている。この時期だからこその父子でお散歩、それとも保育園の帰り道?

 

最初の送迎は34日、桜が満開の頃だった。

途中、休館中の藤子不二雄ミュージアムの前を通る。いつもなら子どもたちであふれている場所だ。裏山には大きな桜の木があり、ひっそりとした建物に向かって枝を差し伸べていた。ドラえもんの描かれた市バスが花吹雪を舞い上がらせて、がらすきのまま走り去った。

 

日がたつにつれて、車の数も減ってくる。燃費もよくなった。車列はまるでソーシャルディスタンスを取るようにして、すいすいと走っていく。

それでも信号で止まると、

「赤信号です。少々お待ちください!」と息子のアナウンス。以前はこんなことは言わなかったのに、やはり非日常が彼をいら立たせているらしい。

 

葉桜になると、今度は花水木が目に付くようになる。ホームの近くの住宅街に、きれいな並木道を見つけた。

街道沿いのツツジの植え込みも少しずつピンク色を増やしていく。

 

息子をホームの前で降ろした後は、FMラジオを聴きながら、リスナーからの「今どきのネタ」に笑い転げる。

「マスクの日々で、口紅がカビた」だって……!


 



自閉症児の母として(62):息子の子育てについて話しました。2019年12月14日


 

1211日(水)に、東京都発達障害者支援センターで行われた支援員研修のなかで、自閉症児の母として、お話をさせていただきました。この講演も、ここ数年の恒例となっています。

このセンターは、息子が成人しても通い続けて療育を受けてきた「嬉泉」という社会福祉法人が、都の委嘱を受けて運営しています。まさに息子は療育のモデルそのものなのです。

 

お話しするテーマは、「子育てを通して親が学んだこと」。

つまり、私としては、この施設で受けた療育のおかげで息子がどのように成長したか、親は何を教わったかをお話することになります。

毎年、私がいの一番に伝えたいことは、子どもをあるがままに受け入れる「受容的交流方法」という障害児との関わり方。当時は、まるでイソップ童話の「北風と太陽」のようだと思いました。

息子は、入園したばかりの頃は、朝、登園しても、母親と離れることを嫌がりました。「それなら、お母さんも一緒にお部屋に張りましょう」と先生。

やがて何日もたってから、私は頃合いを見て部屋から出て、窓からのぞいています。「ほら、お母さんはあそこにいるから大丈夫」と、先生は泣いている息子をなだめます。また何日もかけて、その時間を短くしていって、母親と離れられるようになっていったのです。

 

たくさん安心させて、母親や先生に関心を持ってくれた頃に、ようやく声掛けが生きてくる。こちらの言うことに耳を傾けるようになる。言われたことをやってみて、新しい経験をする。自分からその行動ができるようになる。自発的にプライドを持って行動できるようになる。

安心→経験→プライド。その後30年に及ぶ子育てにおいて、この3つのキーワードを実践することが基本であり、何より大切だったのではないかと思っています。

 

前回の講演の直後に、息子は自立という大きな節目を迎えることができました。

2年間、月に一度の宿泊体験を積んだ後、グループホームに入所して、約10か月がたちました。小さな問題はあるにしても、息子本人は、プライドを持って毎日の生活を楽しく送っているようです。

3歳の時からの療育が、実を結んだのです。

今回、そのお話をしました。まさに「三つ子の魂百まで」ですね。

 

後日、研修を受けた支援者の方々の感想が送られてきました。その中で、23歳のお子さんを担当している方が次のように書かれていました。

「お子さまも保護者も、自ら考え選択して生きていくこと、そしてそれを見守る支援者の存在の大切さを学びました」

「発達の土台となる時期でもあり、とても大事な時期に携わっていることを改めて強く意識しました」

私の思いが伝わったのだと思います。

いつかきっと、私の子育て経験が、支援者を通して生かされる日が来ることを心から願っています。






ダイアリーエッセイ:この日にあたり、ごあいさつ。2019年09月29日



今日は、929日。長男の33回目の誕生日です。

「軽い自閉症ですね」と、小児科医に診断を下された日から、30年が経ちました。なんとまあ、長い歳月だったことでしょう。涙あり、笑いあり、苦しみあり、喜びあり。あらゆる思いがぎゅうぎゅうに詰まった30年間でした。

 

そして、この春、自宅を離れて自立の第一歩を踏み出してから、7ヵ月。

毎晩、夕食後に電話があり、その日の食事のメニューや、サッカーJリーグの試合結果、大相撲の勝敗などを報告してくれます。

毎週土曜に帰宅し、翌日にはホームに戻ります。

生活は順調で、小さな問題はあっても、本人が自立して暮らしていることにプライドを持ち、満足している。それが何よりも大切なことなのではないでしょうか。

 

昨晩は、家族5人が集まって、近くのレストランで夕食をとりました。

33歳の抱負は?

「ホームでの生活をがんばります」 

 



介護施設にお世話になっている母も、健康状態は良好。穏やかに過ごしているので、ここらでほっと一息、ついてもいいかな、と思いました。

そんなわけで、10月上旬、1週間ほど旅行に出ます。

 

今回も3週間ぶりのブログ更新になってしまいました。

旅行の前後がとても忙しいのは毎度のこと。「何も今じゃなくてもいいのに……」と思うような用事が、向こうから手を振ってやってくる。それをクリアしていくことで、旅行の喜びも増すというものですね。(強がり?)

次回は帰国後に、楽しい写真をご覧いただければと思います。

行き先は、クロアチアです。


 



自閉症児の母として(61):息子の職場を訪問して2019年07月30日

 


長男の障害支援区分の認定は、3年おきに調査があります。その面接のため、職場を訪ねました。就労継続支援A型の障害者のための職場です。

せっかくの機会なので、彼が担当している作業を見せてもらいました。

 


何をしているのか、おわかりいただけるでしょうか。

専用の機械装置の前で、二つのジャックをプラス極とマイナス極に差し込んで、電通検査をしているところです。モニターに結果が表示され、少しでも具合が悪いと不良品としてはねるのです。

まるでゲーム機器かエレクトーンの調音部分のようで、彼にとってはお手の物なのかもしれません。

職場で、この作業を任せてもらっているのは、息子一人だとのこと。本来は職員の方が装置を備えて作業開始となるのに、彼は最初からすべて自分でやってしまうそうです。

「とにかく検査の精度が高いです。ほぼ完ぺき」と褒められました。

自閉症の過敏なほどの几帳面さと集中力。まさに、障害特性を生かせる作業です。そのことがとてもうれしかった。彼の求めてきた仕事が、ようやく見つかったような気がしました。

彼専用の小さなコックピットの中で、飽きることなくこの作業に没頭する毎日です。

 

そして、じつはこの部品、AEDに取り付けられるコードなのです。

いのちの瀬戸際で活躍する道具の、ほんの一部とはいえ息子が担っていることに、私は少なからず感動しました。

中国からの部品ですが、昨今のアメリカとの摩擦で、入って来ない時期もあったそうです。だから、習さんとトランプさん、仲良くして息子たちから仕事を取り上げないでくださいね。

  



朝日新聞「声」欄に掲載、〈息子と私、それぞれ人生がある〉2019年07月18日


本日718日(木)の朝日新聞朝刊「声」に、投稿を載せてもらいました。

お読みいただければ幸いです。(写真は、クリックかタップで拡大します)



 

これは、4月に「忘れられない言葉」というテーマで募集があり、そこに投稿したのですが、特集には載りませんでした。

 

忘れたころ、2ヵ月もたってから連絡がありました。

「特集ではなく普通の投稿として載せます。でも、石渡さんは『ひととき』欄に掲載したばかりだったので、少し時間を空けようと思い、こんなにお待たせしてしまいました」とのこと。

あっちに載ったから、こっちはボツに、という理由になってもおかしくないのに、編集者の心遣いに感激しました。

 

文章は、字数制限のため、編集者の手でかっちりと凝縮されてしまい、ちょっと自分の文ではないような、窮屈な感じはありますが、自閉症児の母として、伝えたいことは伝わったでしょうか。



「ひととき」欄に載りました。2019年05月18日


本日18日(土)の朝日新聞の「ひととき」に、投稿が掲載されました。

エッセイ仲間の勉強会で、800字エッセイとして書いたものを、さらに500字に縮めて仕上げました。

少々読みにくいですが、写真をクリックすると拡大しますので、お読みいただけたらうれしいです。


 

 

土曜日の生活面は「はぐくむ」という特集ページなので、ふさわしいと思ってもらえたのでしょう。

障害児でも健常児でも、母親の喜びや苦しみ、そして巣立ちの寂しさに、変わりはありません。




新聞掲載のお知らせ2019年05月14日



来たる5月18日(土)の朝日新聞朝刊の生活面の「ひととき」に、投稿を載せてもらえることになりました。

朝日新聞を購読している方、webで読んでいる方、よろしかったらお読みください。

もちろん、当日にはブログでも、記事をご紹介するつもりです。

これまでもいろいろと書いている長男の自立のエピソードを一つ、短くまとめてみました。





自閉症児の母として(60):シチリアのお皿のように2019年03月30日

 


この地域の桜が、今日にも満開を迎えようとしています。


3日前の千鳥ヶ淵。まだ五分咲きから七分咲きでした。)

 

ちょうど1年前の今ごろは、長男の問題に悩み、人知れず涙の日々が続いていました。(いずれ書く日も来るとは思いますが、今はまだ書かないでおきます)

それでも、いつもの友人たちと連れ立って、目黒川のお花見に行きました。



 

川沿いの道に、シチリア島の陶器を扱う小さなお店があります。

そこで目をとめたのが、このお皿。引き寄せられました。


 

思わず手に取って、思ったのです。

息子もこんなふうに明るく笑うお母さんが好きなのだろうな……。

もちろん買って帰りました。

 

それから1年、息子は家を出ました。

この1年間、宿泊訓練を積んで、息子なりにがんばってきました。

私はこのお皿のような笑顔になれたのでしょうか。まだわかりません。泣き笑いの顔をしているかもしれません。

少なくとも息子の問題は解消したように思います。

「長男の巣立ち」の記念として、今日、このお皿を飾りました。

 

どんなに障害を持っていても、成長しない子どもはいない。

私はいつでもそう思っています。

平成が終わって元号が新しくなるこの時に、私の子育ても一つの区切りを迎えて、新しい次のステージに移っていきます。

だから今、子育てに悩むお母さんたち、諦めないで。

かならず笑顔になれる日が来ますから。 

 

 



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