ダイアリー・エッセイ:断捨離できない2013年08月06日


25年目のマンションのわが家をリフォームする。これをいい機会に、汗とほこりにまみれて、断捨離の毎日だ。
出るわ出るわ、ごみの山、リサイクルの山!

なかでも、長男モトの部屋には、膨大な雑誌の蔵書がいっぱい。
NHK「みんなのうた」のテキストは、最初に買ったのが、’89.12/ 90.1月号。以後、欠かさずに2ヵ月に一度発行のテキストを、買い続けてきた。
自閉症児の彼はこの番組で言葉を覚え、歌を楽しんだ。どこへ行くにも、この本を持ち歩いていたので、すぐに本はぼろぼろになり、あちこちセロテープを貼ったり、あまりひどいときはバックナンバーを取り寄せたりしていた。

大きくなってからは自分で買いに行くようになった。
自閉症特有の「シリーズコレクター」の彼は、すべて本棚に並べる。けっして捨てないでとっておくのだ。
それが23年間続いてきた。だから、ざっと計算しても本棚にずらり130冊余り。

今日こそは、「古いのは捨てよう」と納得してもらった。
「月刊ストライカー」や「週刊ステラ」などと一緒にリサイクルに出すことにした。

汗もほこりもさっぱりとシャワーで洗い流し、夕食のビールはおいしかった。
……が、どうしても、私の気持ちが落ち着かない。取り返しのつかないことをしてしまったような気分なのである。
酔いに任せて、一眠り。目が覚めたら涙が出た。
やっぱり、捨てられない! 
夜遅く、玄関に並べたリサイクルの山から、取り戻してきた。
断捨離がなんだっていうの。
子育ての思い出まで、断捨離する必要はないじゃないの。


1990年代の「みんなのうた」のテキスト



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自閉症児の母として(13):ゲリラ豪雨のように2013年08月13日

わが家のリフォームの工事が始まった。まずは、長男モトと次男の部屋から。
二人とも、荷物と一緒にリビングで一日の大半を過ごしている。こんなときぐらい、どこかへ出かけてくれたらいいと思うのだけれど、それぞれにWiiFit やら、パソコンやら、ごたごたと持ちこんでは、騒々しく毎日のルーティンを全うしようとする。

ほんの1ヵ月ほどで、住まいがきれいになるのだから、多少の不自由は我慢できるだろうと思っていたのが、間違いだった。
まず、次男のイライラが募ってきた。舌打ちをする。グラスをガツンとテーブルに置く。ぴりぴりとした空気が流れる。
モトが過敏に察知して、とうとうその空気を吸い込んで、爆発した。
あわれ、か弱き私は、突然の爆風に吹き飛ばされて、左肩を強打……。

自閉症の彼は、本当に純粋な神経の持ち主だ。
何の保護膜もないまま、周囲の人の感情にダメージを受け、パニックを起こす。
周囲の人だけならまだしも、テレビ番組の登場人物にさえ、影響を受ける。
例えば、怒りがトレードマークのカンニングの竹山。同じく真剣勝負の星野監督。だからパニックは、いつもゲリラ豪雨のように突発的だ。


またやられてしまった。
肩が痛くて、腕が動かせない。
犠牲者が私でよかった、と思ったり、もう許さない!と思ったり……。
それにしても、掃除や片付けや荷物運びに明け暮れているこの時期に、大事な利き腕が使えなくなって、どうしてくれるの?
痛みより情けなさ、ふがいなさ。怒りよりも、あきらめ……。
毎度のパニックに、どこかで、冷静に今の気持ちを分析しようとしている自分がいる。

モトが悪いわけではないのだ。デリケートな神経が赤信号を発し、彼自身を守ろうとして、過剰防衛に入ってしまうのだろう。
パニックも、スイッチがOFFになれば、けろりと元どおりになる。
「ママ、頭突きして、ごめんなさ~い」
天使のような声で謝罪されたら、苦笑いするしかない。
豪雨の後には、明るい虹が立つものだ。

結局、長男は、いつもの夏休みと同じように、夫が鎌倉の家に連れていった。
もっと早くそうすればよかったのだろう。
自閉症の彼は、日常生活が変化することを好まない。それでも、事情を理解して、我慢に我慢を重ねていたのだ。いろいろと用があって、延び延びになったのだが、彼のことを第一に考えてあげるべきだったかもしれない。

かかりつけの整形外科はお盆休みだった。
しかたなく、鎮痛パップ剤を買ってきて貼ったら、少し楽になる。
腕も動くようになったので、家事を再開。流し台をたわしで磨いた瞬間、また激痛が走った。ちょっとでも、手に体重をかけようとすると痛むようだ。
お盆明けには、やはり診てもらおう。
それまでは、豪雨の置きみやげのオアシスで、何にもしないで、のんびりとパソコンに向かっていようかな。



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「ピースとハイライト」2013年08月15日


去る11日、サザンオールスターズのライブに行ってきました。
5年ぶりに活動を再開した新曲は、「ピースとハイライト」。近隣の国々との摩擦を憂いたメッセージソングです。



今日は、終戦記念日。
ブログの書き出しは「ピースとハイライト」の歌でいこう、と考えていたのですが……

先を越されてしまいました。
いえ、競う相手ではありません。
朝日新聞の本日の社説「戦後68年と近隣外交―内向き思考を抜け出そう」の冒頭が、まさにサザンのこの歌でした。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup
わかりやすい解説です。読んでみてください。

今、唯一の被爆国であり、戦争放棄をうたう日本という国が、その根本から変えられようとしています。
日本はどんな国家を目指していこうとしているのでしょうか。
憲法を改正してまで本当に軍事力が必要なのでしょうか。
平和外交だけでは日本の国益は守れないのでしょうか。
この先も平和を守っていくためには、たくさんの課題があります。
私たち、一人ひとりが考えていかなくてはなりません。政治家に任せていたら、取り返しのつかないことになりかねない。

いつまでも、好きなことを楽しんでいたい。
子どもたちも、そうであってほしい。戦争に行かせるつもりはありません。

ライブ会場の日産スタジアムには、7万人のファンが集い、サザンと一緒に歌い続けました。
平和をかみしめた暑い熱い夜でした。



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湘南エッセイサロン2013年08月23日




昨日、2回目の湘南エッセイサロンがあり、8名の湘南マダムが集いました。
サロンについては、621日の記事「エッセイの書き方のコツ(17):あかぬける」で、ご紹介しています。

ずっと、エッセイの勉強に興味を持っていた方。
エッセイは初めてでも、俳句をたしなんでいる方。
手紙は書くけれど、エッセイがどういうものかもよくわからない、と言われる方。
パソコンもできないし、作文なんて学生のとき以来です、という方。
さまざまな方が、お友達つながりで集まっています。
年齢は、40代・50代の後期子育て世代(?)と、70代を中心としたリタイア組の女性たち。

その人生の先輩のうち5名の方は、なんと、私と同じ大学の文学部の先輩でした。
私は、子どもの頃に過ごした湘南の地へ、偶然に導かれるようにやってきて、おそれおおくも同窓の大先輩に、エッセイの手ほどきなどさせてもらっている。
人生のご縁とは、本当に不思議……と感じ入ると同時に、身の引き締まる思いがしています。

40
代の若手マダムいわく、
70代になっても、同級生と仲良くしていらして楽しそう。私たちもこんなふうに年を重ねていけるのかと思うと、安心しました」
本当にそのとおりです。
新しい趣味を始めて、はつらつとしている皆さんは、後輩の明るいお手本ですね。

湘南の浜辺に寄せては返す波のように、いつまでもいつまでも、このサロンを続けていきたいと思います。






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