ダイアリーエッセイ:みどりの日に ― 2018年05月05日

みどりの日に、子どもたちと出かけたのは、偶然にも熱帯環境植物館でした。東京都板橋区立の建物です。

ガラス張りの天井の下、うっそうと茂る熱帯の植物たちが、枝を伸ばしています。鮮やかな赤やピンクの花。珍しい色や形や大きさの実。見ていて飽きません。

▲ひときわ目立つ真っ赤なハイビスカス。
ハワイのレイなどでもおなじみのプルメリア。甘い香りが漂います。▼









種を明かせば、この植物館こそ、夫の第二の職場です。定年後、ハローワークの学校に通って造園業を学び、ここに就職。月に15日だけ出勤するアルバイトです。
自宅からは片道1時間半ほど。真冬は暗いうちに家を出ます。生き物相手なので、365日休みなし。交代制ですから元旦に出勤することもあります。
それでも、いつも嫌な顔一つせず、本当に楽しそうに働いています。
昨日、初めて職場訪問をしてみて、その理由が分かった気がしました。
マイナスイオンをたくさん浴びて、花や魚に癒されて……。とてもいいひと時でした。明日も来たい。私でさえそんな気持ちになったのでした。

マレーシア人の画家の絵だそうです。引き込まれるように綺麗な絵でした。

自閉症児の母として(47):母の日に惑う ― 2018年05月15日

おとといの母の日、自閉症の長男が、カーネーションを買ってきてくれました。例年なら夫がいて、二人で花屋に出かけていましたが、今年の母の日は夫が出勤で不在。息子は当然のように、一人で花屋へ行ってきました。
こんなことは初めてです。成長と言えるのかもしれません。

でもそれは、母親に対する感謝の気持ちというよりも、自閉症特有の「カレンダーどおりにイベントを行う。いつもと同じことをする」というこだわりの表れではないのか、とも思います。
本来なら、涙ながらに喜ぶはずのこの母親、手放しでは喜べず、複雑な心境です。
最近、息子のことで、大きな壁にぶち当たっています。31年間に及ぶ彼の子育て史上、最大の難問といっても過言ではないでしょう。
今は書けません。いつの日か、穏やかに振り返って書けるときが来たら、書くつもりです。
あ、たったこれだけのことを書いただけで、人の十倍泣き虫な私は、またも涙……。泣いても笑っても、私は彼の母親です。愛情こめて、育ててきました。そしてこれから先もずっと。
モト君、きれいなカーネーションをありがとう。
