終戦記念日によせて ― 2020年08月15日
75年前のこと。8月6日に広島、9日には長崎に原爆が落とされ、日本は15日に敗戦を迎えました。
8月は、戦争と平和について考え、のちの世代に平和の尊さをしっかりとつないでいく時期でもあります。
現在の日本も新型コロナウィルスと戦っているとはいえ、まったく異質の、人為的な長い戦争のなかで、300万人以上の犠牲者を出したという事実だけをみても、比べようもない愚かな戦いだったのです。
私は戦争を知らない世代ですが、先輩がたから多くのことを学びました。
辛い思い出を書き留めたエッセイも、たくさん読んできました。
「戦争体験を書いてください」とお願いもしてきました。
さて、先日8月9日の朝日新聞に掲載されたエッセイをご紹介します。
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ご記憶の方もおいででしょう。私のエッセイ仲間、河崎啓一さんの投稿です。「感謝離」のエッセイが大反響を呼び、本まで出版してしまったという90歳の男性です。
掲載の翌日、彼から届いたメールは、こんなつぶやきで締めくくられていました。
「あの日を振り返ってみれば、私は中学2年生。叔父の出征を大喜びする軍国少年でした」
90歳の彼が今、かみしめている万感の思い……。深く静かに、私の胸にもしみてくるようでした。
