GO, GO, GO!の旅(4)フォトエッセイ:広島・ヒロシマ2023年05月18日

3回までで止まっていましたが、まだまだ続行。1年前の旅のフォトエッセイです。

ご存じのように、明後日19日から3日間、広島サミットが開催されます。

そのことをまったく知らない1年前に、広島を訪れ、サミットの会場となるグランドプリンスホテル広島にも1泊しました。

振り返って、当時の写真をアップします。

 

広島には行きたい、とずっと思っていました。

世界で初めて原爆投下された街を実際に訪ねたい。2019年にはローマ教皇でさえ、はるかバチカン市国から訪問しています。その地を私も訪ねたいと思ったのです。

もう一つの理由は、映画「ドライブ・マイ・カー」のロケ地でもあるということでした。

 

高知でレンタカーを借り、翌朝出発。しまなみ海道を北上しながら、300キロの道のりを走破して、広島までやってきました。

夕方4時に広島市に入ると、まっすぐ向かった先は、広島市環境局のごみ処理工場でした。正式名称は、中環境事務所。

映画のなかで、ドライバーのみさきが、妻を亡くした家福をこの場所に連れていき、案内するのです。巨大なごみ処理機の無機質なオートメーション、きらきらしたガラス張りの吹き抜け、海面まで下りていく階段……。

映画の印象的なシーンが目の前に広がりました。

夕方のその時刻には、もう機械は動いていませんでした。人もまばらで、気持ちの良い風が吹き抜けます。

海に釣り糸を垂れる人もいれば、草原に愛犬を走らせる人もいました。



 





映画では、みさきが家福に説明していました。

「原爆ドームと平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑を結ぶ線は〈平和の軸線〉と呼ばれています。この工場の建物は、その線を塞がず海まで延びるように設計されているんです」と。

この映画は、ひとことでいえば、傷ついた二人の再生と出発を描いたもの。平和を祈る場所から吹いてくる風は、再生の場所を通り抜け、海へと旅立っていく。

そして、素敵な市民の憩いの場所でもありました。



 

宿泊したグランドプリンスホテル広島でも、映画のロケが行われました。

広島市南端にある宇品(うじな)島の海沿いに、背の高い四角いビルがひときわ目立っています。

庭先にはヤシの木や、真っ赤なブラシツリーが咲き誇っていました。

ロビーの壁には、映画ロケの様子が写った写真パネルが並んでいました。




 


▲部屋の窓からの眺め。

 


翌朝、快晴の空の下、平和公園を訪れました。

(昨年の89日に記事を書いています)




 

▲原爆資料館。昨年は高校生たちが熱心に見入っていました。今年は、バイデン大統領も訪問するとのこと。



さらに、平和公園から歩いて、幟町(のぼりちょう)教会へ。

この教会は、世界平和記念聖堂と呼ばれ、みずからも被爆したドイツ人神父の尽力によって1954年に献堂されたカトリック教会です。外観は重厚な造りですが、内部はステンドグラスが美しく、原爆で犠牲になった人々の追悼と慰霊のため、世界の平和を祈るためにふさわしい聖堂でした。






  

いよいよ明日、原爆投下された世界でたった一つの地、ヒロシマに、核を投下した国の大統領も、核保有国の首脳たちも、集まってきます。

どのような共同声明が発表されるのか、期待を持って注目したいものです。

 


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