ダイアリー・エッセイ:一瞬の贈り物 ― 2013年01月05日
今日は、仕事始め。車で横浜の磯子教室へ。
帰り道、首都高速湾岸線。地上からかなり高い所を走る。
非日常的な湾岸エリアの景色を、ちょっとずつ脇見しながら、運転する。
一瞬視界が開けて、暮れてゆく空が広がる。
その瞬間の景色に、息をのんだ。
右側には、横浜ベイブリッジの端正な白い姿。
正面にはマリンタワーがそびえ、その向こうにみなとみらいのビル群が薄青い色をして立ち並び、大観覧車にだけ灯るカラフルな光。
そして左手には、夕陽に赤く染まってたなびく雲の上、富士山が紫のシルエットとなって浮かんでいた。
これぞ横浜の絶景……!
大気が冷たく澄んだ真冬の黄昏どき、フロントグラスの向こうは見事なパノラマだった。
ハンドルを握る手で、カメラを持つわけにはいかない。まぶたに焼きつけた。
年の初めに、素敵な贈り物をもらった気がした。
8歳のときから、結婚で家を出るまでの19年間、この横浜に暮らした。
私のふるさと。いろんなことがあった。
……ちょっと泣きそうになった。
コメント
_ 片割れ月 ― 2013/01/08 09:20
_ hitomi ― 2013/01/08 20:52
いつもうれしいコメントをありがとうございます。拙著をお読みいただきまして、そちらも感謝申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
_ kattupa ― 2013/01/24 05:34
ました。こんなエッセイが書けたらと思いますが、私では
修行不足で、まず無理のようです。これからも楽しみにし
ています。
_ hitomi ― 2013/01/24 23:42
これまで慣れ親しんできた「エッセイの書き方」を離れて、ブログの横書きのエッセイを、試行錯誤しながらしたためています。
今回は、できる限り無駄な情報をそぎ落として、瞬間の風景を描写してみましたが、それでもそれを見つめる己の目の奥深くには、ずしりと重い記憶がありました。
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新年から素敵なエッセイ、ありがとうございます。
ふるさとからの心にしみる贈り物、大切になさってください。
今年も素晴らしい一年であることをお祈りいたします。
先生の著書を拝読した感想ですが、
内容といい、文章といい、すべてが「端正」の一言に尽きます。
もちろん、お顔立ちも端正であることに相違ありません。(*^^*)ポッ
今後の更なるご活躍を期待しております。