エッセイの書き方のコツ(13):字数制限でシェイプアップ2013年02月12日

つれづれなるまゝに、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつく……のは、兼好法師の時代の話。現代のエッセイはそうはいきません。
エッセイには必ずと言っていいほど、字数制限があります。執筆や出版など、字数を決めて、契約が成り立つものです。
たとえばエッセイコンテストなどでは、字数がほんの少しオーバーしただけでも、選考対象から外されることもあります。

エッセイ教室の場合、たくさんの生徒さんの公平を図るためにも字数制限が必要です。
私のクラスでは、およそ1600から2000字程度の作品を書いてもらいます。エッセイを書くのにちょうどいい長さではないでしょうか。

テーマに沿って、書きたいことを書いていく。書き終わって、「やっと書けた」とせいせいする気持ちもつかの間、字数は規定を大きく超えている。やれやれ、これをいかに縮めるか……。
そういう場合が多いのではありませんか。かくいう私もそうです。
字数制限がなければ、このまま提出できるのに……と、恨まないでくださいね。

最後まで書き上げたら、こんどは推敲をします。
そのとき、長すぎた原稿は、規定の字数まで縮めましょう。
つまり、字数制限は、推敲の一つの手段と考えてください。

まず、段落ごとに、書いてある内容をチェックしてください。
それから、自分の書きたいこと、つまり主題、それは何かをもう一度考えながら読み直してみてください。その主題にとって、それぞれの段落が、本当に必要かどうか。
内容が主題からそれている、と思ったら、思い切って段落ごとカットしましょう。

もうひとつ、書き出しに着目。ついつい、くどくどと書いてしまうのが前置きです。
できれば、すぱっと本題から入っていくのが、読み手を引き付ける上手な書き方です。
とはいえ前置きには、いつのことか、場所は、人間関係は……などなど、削れない情報もあるでしょう。
季節感を取り入れた情報も、作品の入り口に飾りたくなるかもしれません。
でも、長すぎませんか。半分ぐらいになりませんか。検討してみましょう。

三つ目のチェックポイントは、具体的な情報。
具体的に書くことはもちろん大切です。でも、そのエピソードがたくさんありすぎると、今度は、大事な部分の印象が薄まってしまいます。
紀行エッセイにありがちなのが、このパターン。一番大事なところをヤマにして、あとは割愛の決断も必要です。

いかがですか。
字数制限がなかったら、しまりのないままだった文章も、規定字数の枠内に収めることで、ぜい肉を落とすことができるのです。
文章だってシェイプアップ。魅力的に変身します!



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コメント

_ kattupa ― 2013/02/14 10:04

先ごろ、エッセイの合評で、ある人の最後の
文について「前に出ているので削りませんか」
といったところ「これは私の思い入れです」
といわれました。この当たりが削除の悩ましい
ところですね。

_ hitomi ― 2013/02/14 22:18

kattupaさん、どんなに思い入れがあろうと、二度まで書くこともないでしょうに、と思います。最後に思い入れのくだりを書くのなら、前を削ればすむことですね。

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