ダイアリー・エッセイ:真夜中の涙2013年02月17日

わが家の次男坊、ただでさえ、ふがいないのである。
その彼が大学受験のまっただ中とあっては、いつもはぐうたら主婦を決め込んでいる私としても、かなり真面目にならざるをえない。
風邪をひかないように。おなかを壊さないように。
試験に臨む前夜の夕食は何にしよう。当日のお弁当は何にする。
地下鉄の乗り換えはわかっているのだろうか。雪にならないだろうか。電車はちゃんと平常運行しているだろうか。
受験票は持った? パスモは? ウィルスバリヤーは? 
……まあ、心配しだしたらきりがない。

だからストレスも大きい。
気疲れして、はやばやと寝てしまったら、夜中に目が覚めて眠れなくなった。
やはり気がかりな受験生のことが頭に浮かんでくる。
そういえば息子は、40年前の私のときと、同じ大学をいくつも受けるのだ。
同じ場所にあっても、当時は地下鉄も現在のように網の目状態ではなかったから、たいていは東横線で渋谷に出て、山手線に乗り換えた。
インターネットも携帯電話もなかった。
校舎だって建て替わっているにちがいない。
同じようでも、40年の隔たりがある。
40年後には、私はもう生きてはいないだろう。
……と思ったら、つーと涙が流れた。
あらら、今さら何なの、この涙は。
夜中には感情がむき出しになるの? 半分夢の中なんだろうか。

末っ子はかわいいでしょ、と言われることがある。そんなものだろうと思っていたけれど、そうではない、と気づいた。
子育てが終わっていくことがいとおしい。自分の人生がいとおしいのだ、と。



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