私の3.112014年03月12日

 

☆昨日、書いたものです。1日遅れのアップ。あしからず。

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市民館の玄関

 

3年目のこの日を、どうやって過ごそうかと考えた。

今日はオフだ。そこで、あの日、長男モトが働いていた職場を訪ねることにした。退職してからもうすぐ1年になる、市民館の中にある障害者雇用の喫茶室だ。

 

3年前のあの日、彼の職場は、地震が起きると同時に停電になって営業できなくなっていた。帰ろうにもJRは不通。ほかの従業員たちはみな家族が迎えに来て帰宅していったのに、私がようやく迎えに行ったのは夜の8時半ごろだった。

真っ暗な市民館の玄関を入って、「石渡です!」と名乗ると、寄り添うような二人の人影が現れた。その時間までずっと、〈職場のお母さん〉ともいうべき店長が、不安な息子を支えて暗闇の中で待っていてくれたのだった。

 

ひさしぶりに店長に会いたかった。

訪ねて行ったところが、あいにく今日はお休みとのこと……。

それでも、お世話になったスタッフ二人とおしゃべりをして帰った。

 

そして、3年目の1446は、そこへ向かう車の運転中で、黙とうもできず、心の中で祈った。

その時刻に私が走っていたのは、あの夜、一帯が停電して真っ暗だった商店街、信号も消えた道路だった。

 

社会の弱者である障害者たちが、どんなときにも社会の中で守ってもらえることを、改めて願わずにはいられない。

支えてくれる人々が、どんな場所にもかならずいてくれることを信じたい、と思う。

 





 



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