ダイアリーエッセイ:お雛様を飾りながら ― 2014年03月02日

2年ぶりに、お雛様を飾った。
24年前、娘が生まれた時にはまだ転勤族で、五段飾りはとても無理だからと断ると、お内裏様だけを、実家が買ってくれたものだ。
派手さはないが、品のある凛々しい顔立ちが好きだ。
わが家のお姫様はまだ自宅暮らし。当分、出ていきそうにない。
社会人2年生で、仕事はかなりきついようだ。
やめたい、と冗談半分、本気半分で口にする。
泣いて帰ることもある。
母親の私には何も語ろうとはしない。
それでも、翌朝には、気持ちを切り替えて出勤していく。
休日は一日中寝ているか、出かけているか、どちらかだ。
この週末は、冷たい雨のなか、箱根に泊りがけで出かけて留守だった。
友達との息抜きも必要だ。
私もまた、ちょっと落ち込むことがあった。衝撃、失意、そして怒り……。
静かな部屋でひとり、人形を飾ると、気持ちも落ち着いてきた。
自分がどんなに誠意を尽くしてやっていても、人と関わる仕事である以上、うまくいかないことがあって当たり前なのだ、と思う。
物言わぬお雛様に、教えられたような気がした。
