ダイアリーエッセイ:UFOに遭遇!?2017年06月12日

 




何だかわかりますか。

ピーマンのお化けではありません。

そうです、UFOです。私の両手を組み合わせたよりも、少し大きいサイズの。

先週、いつものウォーキングの途中で、遭遇したのです。



 

これは彼らの秘密基地。道路沿いに、畑を背にしてたたずむコインロッカー式の野菜直売所です。


その名も、「UFOズッキーニ」。

野菜だったのです。そもそも、カボチャの仲間だそうで、白いのや黄色いのもありました。

 

その日の朝、NHKテレビの「あさイチ」で、パプリカの肉詰めを紹介していました。さっそくパプリカを買ってこようと思ったのに、スーパーのパプリカではなくて、畑のUFOズッキーニの肉詰めを作ることにしました。

ただし、ピーマンのように中が空洞ではないので、スプーンでくりぬいて、玉ねぎと一緒にみじん切りにして、ひき肉に混ぜます。

チーズを載せ、オーブンでじっくり焼くこと30分。

それはそれは、美味しかったです。




 

今日は、縞模様がいました。

100円玉を入れて、取りだそうとしたら、「痛い!!」

彼らの機体を食べてしまった私は、宇宙人に逆襲されたのでした。

2ミリほどの長さの、産毛のような細いとげがびっしりと生えていて、刺さるのです。

皆さんも畑で見かけても、気軽に手を出さないように、ご注意くださいね。宇宙のおきてです。







 

そういえば、以前、私のブログには料理の話がいっさい出てこない、というコメントを頂戴したことを思い出しました。

たまには、いいですね、気軽な料理の話を料理するのも。

写真とともに、味わってみてください。

 


自閉症児の母として(42):「桜の風」でショートステイ2017年06月17日

 


長男は、今年3月に初めて障害者支援施設「桜の風」に泊まりました。自立に向けての第一歩を踏み出したのです。

その後は、順調に毎月1度、1泊2日のショートステイを続けています。

 

この宿泊のため、息子は職場で、有給休暇の利用申請書を事前に書いて提出しているそうです。

宿泊の前日には、自分から進んで持ち物の準備も始めます。

持ち物すべてに名前を書き、リストにすべて記入するのは私の仕事。

1泊2日のほとんどの時間、自分の個室でゲーム三昧なので、その量は半端ない。ゲーム機はニンテンドウ3DSだけにすると決めて、ゲームソフトはあれこれ数種類持っていきます。WiFiも持参します。

初回のとき、ゲームと攻略本は2種類だけにしようね、と言い聞かせ、前日には私が持ち物リストにその2つを書いてカバンに入れました。ところが、いざ施設に着いてカバンを開けてみたら、なんとゲーム6ケースと本が6冊も入っていたのでした。

でも、今回は本人の希望どおり、ゲームは5つ、本は2冊となりました。



 

施設到着は11時。車で連れて行きます。

担当の支援員の方と、持ち物のリストとカバンの中身を照らし合わせ、財布の中の金額を確認し、貴重品を預けます。そこまで私が付き添い、そこから先は、保護者退場。ひとりで過ごすのです。もちろん支援員に見守られながら。それが、彼にとっての訓練です。

 

まず、息子は、そこにあふれる音に過敏に反応します。音楽が流れていたり、他の利用者の声がしたりすると、とても気になる。耳をふさいで、自己防衛態勢に入ります。これも、彼にとっては必要な行為です。

 

食事は、食堂で一緒に食べるのだろうと思っていたのですが、希望すれば、自室で落ち着いて食べることができるそうで、今回もそれを希望していました。これまでは、自宅での食事同様、すべて完食!だそうで。

午後には、車に乗せてもらい、しばしのドライブのあと、どこかのお店で、おやつを買います。先月泊まったのは59日、ちょうどアイスクリームの日だったので、行事男の彼は、当然のようにアイスクリームを2つ食べて、ご満悦だったとか。

入浴は、時間になると声をかけてもらい、自分で入っているようです。

就寝、消灯、起床などの生活パターンは得意中の得意。そうやってルールを守ることで、自分を支えているのかもしれません。

翌日は、11時に迎えに行きました。家を出るのが遅れ、着いたのは5分過ぎ。

「遅れた理由は?」と、息子から質問されました。

「車が混んでいたので」と言うと、納得してくれます。ごめんね。

 

主治医のドクターが言われたとおり、自閉的な傾向がある人は、ルールさえ理解できれば、新しい環境でも何の問題もなく、それに従って生活できる強さがあるようです。

 

2ヵ月先まで、宿泊の日程が決まっているので、そのことにも安心できるのでしょう。この調子で、続けていけたらと思います。

次は、2泊に増やすことも考えていますが、焦らない焦らない。たっぷり時間をかけることが何より大切だということは、3歳のころから親の私が学んできたことです。



 

「桜の風」は桜の木々に埋め尽くされているような地域にあります。この時期、桜の青葉の下には、アジサイがたくさんの花を咲かせ始めていました。




映画『ローマ法王になる日まで』を観る2017年06月24日

 



半月ほど前に、映画『ローマ法王になる日まで』を観てきました。

これは、宗教映画ではありません。

現在のローマ法王フランシスコは、1970年代、アルゼンチンが軍事独裁政権下にあったとき、一人の青年神父として、政府の圧力を受けながらも、たえず貧しい民衆に寄り添って、勇気を持って権力と闘ってきました。

彼の半生をできうるかぎり当時の事実に基づいて再現された物語です。

政府に対する反勢力という疑いをかけられては、民衆が捕らわれていくなか、仲間を殺されたり、友人を失ったりもしました。ひとりの人間として、どれだけ苦しんだことでしょう。

 

当時のアルゼンチンでは、ユダヤ人を虐殺したナチスと同様の残虐な行為で、国家が人々を苦しめていたのでした。しかもそれは、第二次世界大戦の話ではありません。

1970年代といえば、日本は昭和の後半、右肩上がりの高度成長期にあって、平和な時代です。私も青春を謳歌していたころです。

その暗黒時代のアルゼンチンで、民衆とともに苦しみ、生き抜いた神父が、現在、ローマ法王というカトリックの頂点に立っているのです。

そして、世界中のあらゆる問題に対して発言をします。環境問題や人種の問題、そしてアメリカ大統領候補に対しても、臆せずに意見する。その説得力、影響力は、この映画で描かれている体験から生まれているのだ、と確信できます。ずしりと深い感銘を受けました。

 

おりしも、現在の日本は、テロの犯罪から国民を守るためという口実で、国民を監視するような法律を無理やり成立させてしまいました。映画の恐怖と似た思いを抱く人も少なくないのでは、と思います。

 

国内でも、上映が広がっているようです。

機会がありましたら、ぜひご覧ください。

映画『ローマ法王になる日まで』公式サイトはこちらです。





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