新シリーズの予告です! ― 2025年06月15日
いつまでも続いて、終わりが見えない「南フランスの旅のフォトエッセイ」ですが、予定では、あと4回ぐらいで最終回としたいと思っています。
終わらないうちから、次の予告をさせてください。
(というより、シリーズがちっとも続かない言い訳かも……)

今年の2月7日に、この写真をアップして、「招かれて」というエッセイを載せました。本当に、この絵に招かれるように、鳥肌に導かれるように、カヨさんと二人でニースに行くことになったのです。
彼女は一足早く、今はイタリアに滞在中で、6月26日にニースで落ち合うことにしました。
私はといえば、ニースへは直行便がなく、どうせパリを経由するならば、パリにも寄っていこう、と思いたちました。一人旅には慣れているし、大丈夫よ……と軽く考えてしまったわが身の浅はかさ。慣れている一人旅は日本国内のこと。ヨーロッパで一人旅をしていたのは、まだ怖いもの知らずだった20代の頃のはず。あの頃の私と今の私とは別人だというのに。体力も知力も判断力も順応力も、何もかもが違っているのに。
考えれば考えるほど、だんだんと不安が募ってくる。夜も眠れないし、体調不良の日が増えて……。
でも、もう後へは退けません。ここでへこたれてなんかいられない。
本を買い込んだり、ネットを駆使したりして、情報を手に入れ、パリの一人旅の計画に没頭し始めました。がんばれ、私。
そうそう、パリを訪れたいと思ったのは、5年前に火災に遭ったノートルダム大聖堂が昨年12月に復活したからです。ぜひ見に行きたいと思っていました。
そして、もう一つ、コロナ禍が終わったら、パリ近郊のランスの町も訪ねたい。画家の藤田嗣治が晩年を過ごした町で、彼はフジタ礼拝堂を作り、そこに埋葬されています。フジタの絵も好きですが、彼のロイドメガネの風貌が亡き父に似ているので、親しみを感じてもいました。
ランスは、シャンパンで有名なシャンパーニュ地方にあります。
そこで、はたと気がついたのが、この絵。

カヨさんに譲ってもらったこのアート作品は、ミュシャのリトグラフをプリントしたもので、貴族の男性が着飾った女性二人にシャンパンを注いでいます。エドシック社というシャンパン会社のために描かれたポスターでした。
今はわが家の玄関に飾ってあります。よく見ると、右下にReimsと書かれている。ライムではなく、ランスと読む地名だったのです。
この絵もまた、私を招いている気がして、鳥肌が立ちました。
かくして、偶然が出会いを生み、二人の夢をかなえようとしています。
次のシリーズは、この旅をつづるつもりです。
それでは、6月22日、古希の大冒険に行ってまいります!
