南フランスの旅のフォトエッセイ:④Hiromiさんのナイスアイデア2024年07月12日

さて、話は1日前に戻ります。


 

6月4日の朝6時に家を出て、空港バスで成田へ。

1120発のオランダ航空でアムステルダムへ。現在はロシア上空を飛べないので、北極海上空を飛んでいるようでした。13時間かかって到着。

スキポール空港で乗り継いで、ようやくニース・コートダジュール空港に到着したのは、現地時間の2225です。東京は、時差7時間、翌朝の525着となり、自宅からここまで24時間近くかかったことになる。まあなんと長旅だったことでしょう。早くホテルで眠りたい……。

空港からホテルまでは、夜も遅い時間なので、日本で旅行会社の送迎車を手配してきました。

 

ところが、着いた時にお迎えらしき人がいない。待てど暮らせど、現れない。予約手配をしてくれたHiromiさんが、問い合わせ用のアプリをダウンロードして、電話をかけようにもなぜか通話ができないのです。

小さな空港ロビーから、ほとんどの利用客は姿を消していきます。30分たってもらちが明かず、客待ちをしていたタクシーでホテルに向かうことにしました。

一見怖そうなドライバーがたむろしています。その中のひげ面の1が、私たちを見つけて、当然乗るだろう、と目で合図をされました。フランスのタクシーは問題ないとは聞いていたので、勇気を出して乗ることに。

 

スーツケースをトランクに入れてもらって、「Hotel Beau Rivage」と告げると、すぐ走り出しました。

「英語を話しますか」と聞くと、「あまり上手じゃないけど」と言いながら、おしゃべり好きなフランス人らしく、いろいろ彼のほうから質問してきました。

最初の質問は、「どこから来ましたか」。

日本だと答えると、「日本に行きたい!」と急にテンションが上がりました。彼の友人も日本を旅して、とてもよかった、おもしろかった、と彼に薦めたそうです。30代か40代ぐらいの彼にとって、日本はアニメやゲームの聖地なのでしょう。彼は「ワンピース」などのマンガ本を読み、彼の息子たちはポケモンやマリオなどのゲームで遊んでいるとか。

そんな楽しい会話をしているうちに、あっというまにホテルに到着。スーツケースを下ろしてもらい、料金とわずかなチップを渡すと、さっさと車に戻ろうとした彼を、私たちは引き留めました。

「日本のおみやげを渡したいから、ちょっと待って」

Hiromiさんがスーツケースの中から取り出したのは、ポケモンのキャラクターが描かれているスナック菓子と、「きのこの山」。

「日本のお菓子です。お子さんたちと食べてね」

彼はびっくりして、そして、とてもうれしそうな笑顔で「サンキュー!」と言ってくれました。



Hiromiさんは前回のクロアチア旅行でも、「チップと一緒に渡すと喜ばれるのよ」と言って、ポッキーとかハッピーターンとか、日本のお菓子をたくさん買い込んできてくれたのです。実際に、彼女がお菓子を渡すと、こわもてのドライバーさんがみな一様に顔をほころばせるのでした。

今回の旅でも、「私に任せて!」と大量に持ってきてくれていました。

 

到着早々の空港で見舞われたアクシデントだったけれど、Hiromiさんの機転で、こんなにステキな笑顔に出会えたのです。まさに、災い転じて福となす。

後日、送迎車を予約した旅行会社からは丁重なお詫びのメールが届き、全額返金となりました。

                  (⑤に続く)


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