自閉症児の母として(3):「梅雨空のように」2012年07月06日

聖徳大学のキャンパス


今朝は、千葉県松戸市にある聖徳大学の1時限目の授業で、お話をさせてもらいました。
「障害児教育」という講義の中で、私の著書『歌おうか、モト君。~自閉症児とともに歩む子育てエッセイ~』をテキストとして購読してくれているので、その著者として、半年に一度、出向きます。
また、学生さんたちが書いた感想文のレポートも読ませてもらっています。

教室には80名余りの女学生の皆さん。保育士や幼稚園・小学校の教諭を目指して勉強中です。自閉症児を育ててきた一人の母親の話を興味深く聴いてくれます。

毎回よく出る質問に、
「普通学級に入れて感じたことは?」というのがあります。

小学校に入学して最初の保護者会のとき、緊張して自己紹介した私は、
「息子は自閉症という障害があって……」
と言ったとたんに泣き出してしまった。その気持ちが通じたのか、お母さんたちも担任の先生も、息子をやさしく受け入れてくれたのでした。

毎回その話をするたびに、また涙ぐんでしまう。
今日の梅雨空のように。
でも、それは悲しみではありません。
子育てにがんばっていた18年前の自分を懐かしんでいるのです。




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