敬語の話2012年10月25日


先日、テレビ番組の中で「若者の言葉の乱れ」が話題になっていました。
敬語とは、目上の人に敬意を表すために使うもの。ところが、最近の敬語は、上下関係だけではなく、横の関係、つまり親しさのバロメーターにもなってきている、といいます。
――例えば、頑固なお父さん。
娘が彼氏を連れてきた。最初はこちこちで、
「お嬢さんとお付き合いさせていただいております」
なんて、上司に対するような敬語を使っているけれど、お酒でも入ってうちとけてくると、
「お父さん、この家、広いっすね。高かったっしょ。ご苦労様でーす」
などと、砕けすぎの口調に……。
ご苦労様なんて、下の人に使う言葉ですよね。
彼氏は、親しみを込めたつもりなのに、お父さんは、なれなれしくされて、気に入りません。今の若者は言葉遣いを知らんのか、というわけです。


こういう話で、いつも思い出すことがあります。
私は、40歳のときに3人目の子が生まれましたから、そのママ友は、ほぼ全員年下。なかには当然一人目の子のお母さんもいて、20歳近く年下という人もいました。
それでも同じ学年のママ友同士、ため口でおしゃべりをして、年齢と関係なく仲良くなれました。
ところが、いつまでたっても、私には敬語のままの人もいました。
その人の目に、私はものすごく年上のオバサンに映っていたのでしょうね。ママ友というよりは、人生の大先輩みたいな……。
「今度の飲み会、いらっしゃいませんか~」
などと誘われても、楽しくなさそうな気がして、丁重にお断りしました。あちらもほっとしたことでしょう。
結局、そういう人とは仲良くなれませんでした。

頑固なお父さんは上下関係をはっきりさせたいけれど、私は親しさ、近しさを感じていたかったのです。
敬語って、難しいですね。
いいえ、本当に難しいのは、人間関係なのかもしれませんね。




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