ダイアリーエッセイ:いい夫婦の日だそうで2013年11月22日

朝の番組は、フジテレビ。長男が番組決定主導権を握ったときからだ。
長いことポンキッキを見ていたっけ。
今では、朝起きると、すでに「めざましテレビ」が始まっている。
最近では、長男が8時からNHKの朝ドラを見るようになったので、私はめざましテレビがニュースではなくなると、早めにNHKの「おはよう日本」に切り替えてしまう。

今朝もいつもどおり、娘が7時に出勤すると、次は夫が起きてきた。
テレビはすでにNHK。
息子たちが起きる時間まで、しばらく夫と二人きりでテーブルに向き合った。
すると、折あしくといおうか、
「今日、1122日は『いい夫婦の日』です!」
と、一段と明るい声がテレビから聞こえてきた。NHKの好きそうな話題だ。
まずい! こういうのを夫婦で見るのは大の苦手である。
二人とも、テーブルの向こう側とこちら側で、首を90度曲げて、黙ってテレビを見ている。金縛りにあったように、チャンネルを替えることもできない。
わざわざこの日を選んで婚姻届を出すカップル。手をつないで仲良しを体現してみせる夫婦。見ていると恥ずかしくて脂汗が出そうだ。
「夫婦円満の一番の秘訣は、よく話をすることだそうです」
それも、二人無言で聞いた。


さて、夜になった。
3人の子どもたちが、みな夕食にそろわない。じつに珍しく夫婦二人だけの夕食と相成った。
仕方がない。ボジョレーヌーボーに合いそうなおつまみをこしらえて、楽しい話題を提供してあげることにしよう。やれやれ……。

ここ数年、結婚記念日すら忘れたふりをしている私たち。(いや、私だけ?)
「いい夫婦の日」ぐらい仲良くしなさい、という神様のいたずらか、はたまた、おしおきなのかもしれない、と思ったのだった。




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コメント

_ 片割れ月 ― 2013/11/23 08:02

私も専らNHKの口です。
鹿島アナのお局チャラにはまってしまい・・・・(_ _;)…パタリ
お子さんたちが折角気を使ってくれたのに残念でしたね(何がって?)
どちらの夫婦もそんなものなのかと思うと、なぜか安心しました(*^^*)ポッ

_ hitomi ― 2013/11/24 13:51

片割れ月さん、子どもたちはたまたま留守だったのです。
夫婦はしょせん他人同士。いつまでもべたべたしているなんて無理ですが、二人でお葬式みたいでもつまらないので、なんとかしないと……ですね。

_ 米国ののろまな通信生 ― 2013/12/06 04:18

HITOMI先生、こんにちは。先日はメールありがとうございました。飛び立つにしてもどこへ?飛び立つ翼もありません・・・しばらく同じ場所で修行することにしました。本当は英語の世界に戻って一ヶ国語にしぼれば楽かも・・・と弱音を吐きたくなっているのですが。やはり母国語をあきらめてはいけないですね。
 ところで。最近、私達夫婦は、雪の日も、夫が出勤する前に、20分ほど二人で近所の公園を必ず散歩しています。テーブルに向かい合っていたら出てこないような話題が、朝日を浴びながら歩いていると自然にでてくるのです。二人ですごいおしゃべりをして一日が始まります。私の小学校は給食で鯨のお肉も出たわよ、と言えば、夫のランチは年中ハムサンドと丸ごとリンゴでつまらなかった、とか、会社の上司がああいったこういったのうっぷんばらしとか、今読んでいる本のここが面白かったよ、とか。私達はもともとおしゃべり夫婦なので一日中しゃべっているのですが(苦笑)・・・先生とご主人も朝の散歩をなさってみては? きっと意外な会話が生まれますよ! (あれ、私の日本語変じゃありませんか?)
追伸 このメッセージ二度目です。重複して送信されていたら消してください。確認クリックする前に消えてしまったので、念のため、もう一度送ります。

_ hitomi ― 2013/12/06 10:46

米国ののろまな通信生さん、
これからも日本語でエッセイを書いてくださるのですね、うれしいです。母国語は、ご両親はじめ周りの大人たちのおかげで身に着けることができたかけがえのない能力だと思います。これからも大事にして、磨き上げてください。

夫婦仲良くなるヒケツ、なるほど米国在住のご夫婦らしいアイデアだと思いました。外に出て散歩する、健康的でいいですね。でも残念ながら、日本のわが家では、朝は眠気と闘いながら3人の子どもたちと夫を送り出すことで精いっぱい。とても散歩の余裕はありません。そんなことを言っているから、ますます会話がなくなっているのでしょうね。
夫に話したら、何と言うかしら。

_ 米国ののろまな通信生 ― 2013/12/07 03:22

ぜひご主人に話してみてください。どんな反応かまた教えてくださ~い。日本の男性はお仕事が大変だから寝ていたいっておっしゃるかしら? 私たちは子供いないからできるのかもしれません。でも、以前は私達もあわただしくて散歩するような余裕があるとは思えないような毎朝でしたが、二人で早起きすることにしたのです。夫は朝の運動のおかげで仕事がはかどるといい始めました。ハムサンドの子供時代が気の毒で、毎日、日本のお弁当つくってあげています。だから、ばたばたした朝ではあるのですが、散歩が楽しくて朝起きるのがおっくうではなくなりましたよ! 日本語は両親と周囲の大人のおかげで身についたもの、という先生のコメントにはっとさせられました。考えてもみなかったことで・・・母国語を大切にして生活していこうと思いました。身にしみる御言葉をありがとうございました。

_ hitomi ― 2013/12/07 23:31

米国ののろまな通信生さん、
わが家の自閉症の長男は、今でも母国語を持っていないかのようです。まるで私たちが英作文をするように、ぎくしゃくと借り物の日本語を口にしています。それを見るにつけ、その下の長女は、自分の周りと関わることで、いつの間にか自然と言葉を吸収し身に着けていった。そのことが奇跡のように素晴らしいと思えたのです。だからこそ、かけがえのないあなた自身の母国語も大切にしてほしいな、と思いました。

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