お久しぶりです、T先生! ― 2013年06月02日

私のエッセイ集『歌おうか、モト君。』をお読みくださった皆さま、T先生を覚えておいででしょうか。
長男モトが小学校3年・4年のときの担任で、あの「T先生からの手紙」の主人公です。
年賀状のご挨拶だけで、もう10年以上ご無沙汰でしたが、ついに今日、本当に久しぶりにお目にかかることができました。
先生は、まったく変わっていませんでした。いえ、むしろ当時より、若々しく見えたほど。
それでは、本邦初公開のT先生です! (シールの上で、クリックしてください)

当時の先生は、自閉症の長男を受け入れながらも、教職を辞めるべきか否かという大問題に直面していたのでした。
先生の中学生のご長男に脳腫瘍が見つかって、助かっても重い障がいが残るかもしれない、まさに危機的な状態だったのです。
そのことを、担任が終わるころに、手紙にしたためて告白されました。私も泣きながら読んだそのお手紙を、エッセイ集を上梓するときに、原文のまま掲載させてもらったのでした。
やがて先生は、人事異動でほかの学校に移って教頭先生となり、それも引退。
現在は子どもの相談に関わるお仕事など、ボランティアのように続けているそうです。
「相談に来られたお母さんや、学童保育のスタッフさんに、あなたの本を読んでもらっているのよ」
私の本が、先生のお仕事に役に立っていると聞いて、本当にうれしくなりました。
あのころは、担任の教師と保護者の間柄。私は心から尊敬し、信頼していました。
さらに、お互いに障がいを抱える子の母親同士になって、先生との語らいは、理解しあえる大きな安心感に包まれるようになりました。
そして今、10年以上の歳月を経ても、その安心感は変わりません。
人生のなだらかな下り坂を、楽しく一歩先行くT先生とのおしゃべり。話は尽きません。
やはり小学校の校長先生まで務めたご主人とふたりで、畑仕事に精を出しているとか。
来月は、3人目のお孫さんが誕生。忙しくなるその前に、来週はお友達とフランス旅行に行かれるとか。
居場所が決まらないモトと違って、先生の息子さんは、ずっと同じ、自宅のそばの障がい者通所施設に通い、平穏な日々を送っているそうです。
「相談の仕事はストレスになるけど、家に帰って、やさしい性格の息子の笑顔に、ほんわかと癒されるの」
モトの言動にイライラするばかりの私は、反省することしきり……。
気がつけば、あっというまに3時間。
泣き虫な私は、やっぱり何度も涙があふれてくるひとときでした。
今日の空は、夕方5時を過ぎても、梅雨とは思えないさわやかな青い色をしていました。

おみやげにいただいた朝どり野菜たち。
今夜はきたあかりをいただきました。美味しかったです、ごちそうさま!



6月2日現在、609サイト中第2位です。
皆さまのおかげです。どうもありがとうございます!
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://hitomis-essay.asablo.jp/blog/2013/06/02/6833194/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。