旅のフォトエッセイ：Vacance en France 9 モン・サン・ミッシェル③ ― 2014年09月07日
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朝、暗いうちからカモメの鳴き声で目が覚めた。
６時に外へ。昨晩夕日を見た北塔へ。
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まだ誰もいない。昨夜と違って、ずいぶん潮が満ちている。
水平線には少し雲がかかっているようだ。
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待つこと５分、オレンジ色の雲の切れ目に、金色に輝く太陽が顔をのぞかせた。
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不思議なものだ。昨日、同じ海に沈んでいったはずの太陽が、ふたたび東寄りの水平線から昇ってくる。
これまでにも、日の入りや日の出を見たことはある。でも、夕日が沈むのを見届けて、同じ場所から朝日の到来を見るのは、初めてだ。
昨日と同じ太陽でも、昨日とは違う新しい一日の始まり。
旅の神さまが昨夜の祈りを聞いてくださったのだろう、今日も気持ちよく晴れていくようだ。
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まだ、６時半を回ったところ。朝食まで少し時間がある。
清澄な朝の空気をたっぷり吸いこみながら、散歩をした。
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北塔から続く城壁は、１４世紀から１５世紀にかけて、海の向こうのイギリスと仲が良くなかったころに造られたという。そちらをにらんでいくつもの監視窓がある。
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フランスで時おり見かけるアジサイは、ほとんどがこの鮮やかなピンク。
古めかしい石造りの街に、よく映えている。
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サン・ピエール教会。
11世紀から17世紀にわたり、岩山を削って造られたものだとか。
大天使聖ミカエルの像や、ミカエルに導かれて戦ったジャンヌ・ダルクの像などがあり、内部も装飾が美しい。
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前の晩には中に入って、旅の無事を祈った。
信者たちの捧げるキャンドルの炎がたくさん揺れていた。
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こちらは、散歩の途中にショーウインドウの中に見つけた大天使聖ミカエルの銅像。
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大天使聖ミカエルは、古くから剣とともに描かれ、兵士の守護聖人、戦いの天使などといわれる。悪魔を象徴する竜を退治する姿でもおなじみだ。
そして、お腹を空かせたところで、朝食。
赤と白のチェックのテーブルクロスが、いかにもフランスらしい。
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これから、たくさん階段を上って、修道院の見学だ。たくさん食べなくては！
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〈続く〉
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